2012年のジャンプ打ち切りマンガを振り返ろう の巻

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前回の「2011年のジャンプ打ち切り作品まとめ」から大分日は空いてしまいましたが、何とか2012年のジャンプ打ち切り作品を纏められました。

 一応2019年までの打ち切り作品を2020年内に振り返ろうとは思いますが、どうなる事やらです。 

⇩2011年のジャンプ打ち切り作品はコチラ

poison3rd.hatenablog.com

 

 

 2012年のジャンプ新連載は全部で13作で、その内8作が打ち切りで4作がヒット作で長期連載、内一つが短期集中連載で横田卓馬先生の「こがねいろ」でした。

ヒット作のタイトルは連載開始順から順番に、12号から「ハイキュー!!」24号から「斉木楠雄のΨ難」31号から「暗殺教室」52号から「食戟のソーマ」とかなり豪華な面子。

因みに2010年の新連載は8作全て打ち切り、続く2011年は新連載10作で長期連載できたのは「ニセコイ」だけで他9作は打ち切りでした。

そんな年が続いただけに、2012年は人気で話題や看板にもなった作品で、且つ今でも名作に名前が出るタイトルが登場しているので豊作の年と言ってよいでしょうね。

 

2012年のジャンプ打ち切り作品

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「パジャマな彼女」濱田浩輔 2012年13号~40号

単行本 全3巻 全26話

 よくある三角関係の様なラブコメで、幼馴染の女の子まくらちゃんが、幽霊になって巻き起こすドタバタラブコメでしたが、当時は「ニセコイ」「恋染紅葉」とラブコメが三作も連載されている状況であえなく26話で打ち切りに。

 前作バスケットマンガ「どがしかでん」から、うって変わってのラブコメマンガで連載開始した濱田先生でしたが、元々は部活少年で主人公にもイマイチ勘定移入が出来なかったと後に語ってらっしゃいました。

 作者本人が望んだ作風での連載じゃなかったし、ラブコメ乱立も災いしたからか短命で終わってた印象、濱田先生はこの後編集と方向性の違いからジャンプを離れ、講談社good!アフタヌーンにてバトミントンマンガ「はねバド!」を連載され、2018年にはアニメ化もされています。

 また「パジャマな彼女」の一部キャラクターは、「はねバド!」にも登場してるので探してみるのも面白いかもしれませんね。

 作品自体の印象は薄くても、モブキャラのチンピラ・パコ先輩が微妙に有名な作品でもあったなぁ・・・

 

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恋染紅葉」作:坂本次郎 画:ミウラタダヒロ 2012年23号~51号

単行本 全4巻 全31話

 作中でのドラマ「恋染紅葉」の撮影の為、ヒロインの女優が主人公の学校に転校してきて・・といったラブコメでしたが、正直殆ど印象に残って無いですね。

ある意味「アクタージュ」よりも先駆けた女優マンガだったなぁとしか。

原作の坂本先生は坂本裕次郎名義で「タカヤ-閃武学園激闘伝-」等を描かれてましたね、後にアシスタントだったミウラ先生と「恋染紅葉」を連載されるのですが、現在はサイコミにて「SHADOW NEWT(シャドウニュート)」を連載中。

 ミウラ先生はジャンプ2020年33・34合併号で読み切り「銀色のセブン」を掲載されましたが、現在は連載に向けて新作を作成中なのかな? 

 

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「戦星のバルジ」堀越耕平 2012年25号~41号

単行本 全2巻 全16話

 今や「僕のヒーローアカデミア」で大作家の、堀越先生によるジャンプ連載2作目がこの「戦星のバルジ」。

戦国ではなく戦星の惑星インダストリアルで、王子とうり二つの少年アストロの冒険譚だったのですが、前作が打ち切りでも5巻まで出たのに対して、こちらは2巻ともの凄く呆気ない幕切れだったのを覚えています。

 ジャンプNEXTで掲載された「宇宙少年バルジ」が前身で、当時アンケに連載希望を強く推して出したのですがこのような結果で残念でした。

 何気に単行本2巻で、物語を劇とした舞台裏の様な描き下ろしが追加されていて、バルジとアストロを演じた役者がオタクでそのキャラを担当が好印象を与え後の「僕のヒーローアカデミア」での主人公デクさんのモデルになったそうです。

 ヒロアカ&堀越先生ファンなら押さえておきたい作品ですが、書店でも見かけないしブックオフ等でも中々出会わない、ある意味レアな作品でもあります。

 

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「タカマガハラ」川合十三 2012年32号~49号

単行本 全2巻 全17話

 日本のどこかにぞんざいする「高千穂」と呼ばれる町に、格闘技の世界で人外ならざる強さを発揮する「山田五兄弟」が存在した。

 主人公で三男のヤマトは格闘に興味を示さず、漫画家で最強を目指すのだった。

 

 あらすじだけ見ると漫画家を目指す主人公と格闘一家のドタバタギャグかと思いきや、思いっきり中二病を彷彿させる異能バトルマンガで、絵は粗削りでしたが山口貴由先生の「覚悟のススメ」の様な空気感で個人的に好みだったのですがあえなく2巻で打ち切りでした。

 川合先生は以降作品を発表されておらずどうされているのか、アシスタントされてるのかなぁ・・・

 

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「烈!!!伊達先パイ」近藤伸輔 2012年41号~2013年10号

単行本 全2巻 全20話

 伊達愛と付き合う高校生の片倉武士、そんな二人の仲を妨害する伊達政宗マニアの伊達先パイこと伊達まさしが巻き起こすドタバタコメディ。

 

ジャンプNEXTにて同タイトルの読み切り版が掲載され、好評を博し連載に。

近藤先生曰く当初はバトルに移行するつもりだったのですが、ライバルキャラの真田が愛すべきアホキャラになってしまったのと、短期で打ち切られてしまったためそれも叶わずとなってしまいました。

近藤先生は次の連載「ジュウドウズ」でも短期打ち切りになり、現在は講談社ウェブコミック配信サイトのコミックDAYSにて「忍者と極道」を連載中です。

 

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「クロス・マネジ」KAITO 2012年42号~2013年34号

単行本 全5巻 全42話+番外編1話(ジャンプNEXT2013秋号に掲載) 

 何をするにしても無気力な男子高生・櫻井玄哲がラクロスに打ち込む少女・豊口深空と出会い部活と自身を変えていく青春スポーツラブコメ

 

マネージャーでラクロスというかなり攻めた題材で、当初は期待したものの一部コアなファンを獲得するものの全5巻であえなく終了しました。

 一応2009年からマニアックながら、コアなファンを獲得していた作品は増刊のNEXTで完結編を掲載する流れが出来ていて、完結編をNEXTで掲載しているのでアンケートではそれなりの人気はあったと思われます。(厳密にいうと完結の前日譚なので番外編になりますが)

 今ではさっかーや野球で監督を主人公にした作品は見かけますが、日本ではややマイナー競技のラクロスで主人公をマネージャーにしたのはいささか攻めすぎた気がしなくも無かったです。

 一番話題になって記憶に残っているのは、登場キャラの苗字が全部声優さんから取られてる事でしょうか?

 因みに作者のKAITO先生は、ジャンプ+にて「青のフラッグ」を2017年から2020年4月まで連載されていました。

  

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HUNGRY JOKER」田畠祐基 2012年50号~2013年24号

単行本 全3巻 全24話

 幼少期から記憶が無く、興味を持ったものは何としても解明しようとする謎の天才少年科学者ハイジ、記憶をたどる手がかりとして「黒いリンゴ」と「光る死体」を追っていたのだが、ある事件をきっかけに「エウレカ」の存在を知り、記憶を取り戻す為解明に乗り出す。

 

 今や「ブラッククローバー」でジャンプ看板作家の一人田畠先生ですが、デビュー作は短期の打ち切りからでした。

この年の前年に行われた第7回金未来杯の受賞作品で期待されてたんですけどねぇ、味金未来杯って「ぬらりひょんの孫」と「べるぜバブ」以外は今の所短期打ち切りばっかりなんですよねぇ、後は「仄見える少年」がどれくらい続くかですけど・・

 

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新米婦警キルコさん」平方昌宏 2012年51号~2013年25号

単行本 全3巻 全25話(25話は単行本描き下ろし)

 房総半島の辺境にある埋め立て地、流島(ながしま)はバブル期に空港が建設される予定だったがバブルが弾けてゴーストタウンに。

そんな辺鄙な町の署長と警察官・安錠しかいない鱧川警察署に元傭兵のキルコさんが新米婦警として配属されてくる。

 

 いわゆるドタバタコメディ物で、短期打ち切りながらも未だに根強いファンもいて2013年にアプリの「ジャンプLIVE」で「帰ってきたっ!新米婦警キルコさん」が連載

されるも翌年にはジャンプLIVEは無くなってしまいましたが、ジャンプ+で読めるので気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか?

 

何とか纏め終った2012年でしたが改めて打ち切り作品を振り返るに、新連載は毎年半分以上が打ち切りで苦渋を舐めてるんですよねぇ、本当にジャンプは厳しい世界ですが、そこで連載を取ると作家としてのネームバリューもやっぱり違うから皆ジャンプで連載を目指すんだろうなぁ・・

さて一応2013年分は少しずつまとめに動いてますが、正直次の2014年が新連載が多い上に打ち切りもほぼ平行で気が重いです。 

 

 

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